新聞コラム 掲載1回目

卒業して帰省したと思ったら、もう5月に入ってしまいました。

たった1年間とはいえ留守にしている間に、沖縄ではいろいろな事が目まぐるしく変化しており、「浦島太郎状態」の私は、4月はリハビリ期間といったところでした。

さて、このたび地元紙の沖縄タイムスにコラムを書かせて頂くことになりました。これまでの執筆陣を含め連載を担当なさるのは錚々たる方々です。お書きになる内容も高度で、私にとっては非常にハードルが高い連載です。

とは言え、後悔先に立たず。引き受けてしまった以上、月1回ペース・1年間の苦行(?)を全うしなければ。

頼りにしている経済界の先輩方や会社の仲間、そしてWBSの仲間達の力をお借りしながら、自分自身の学びのためにも頑張ります。

 

さて、肝心のコラム。

私がダラダラと文字数オーバーで書いた初稿も、担当記者さんやデスクさんは見事に修正してくださいます。まさに「ビフォー・アフター」という感じ。

私の担当の第一回目の掲載コラム「アフター版」はこちら。(著作権の関係上、リンクとなります)

■沖縄タイムス「ニュースナビ+プラス」(「2018年度入域客が過去最高」を読み解く)https://www.okinawatimes.co.jp/articles/-/417280

 

で。「ビフォー版」が以下となります。でも、ダラダラと本当に冗長なので、読者の皆さまは「アフター版」だけでお腹いっぱいだと思います(キッパリ)。

 

 

<原文>

2018年度の沖縄県の入域観光客数が999万9千人(前年度比4.4%増)と6年連続で過去最高を記録し、うち外国客は初の300万人越となった。

日本全体での訪日外国人旅行者数は、18年に3,000万人の大台に達し、政府は成長戦略の中で2020年に4,000万人、2030年には6,000万人を目指すとしている。

また、訪日外国客の増加や高次元の観光施策実行の必要性を背景に、「観光先進国実現に向けた観光基盤の拡充・強化を図るための恒久的な財源を確保する」ことを目的として、本年1月に「国際観光旅客税」が創設された。始まったばかりのこの国際観光旅客税は通年で480億円の税収が見込まれており、一般財源ではあるが使途を限られているため目的税的な側面を持つ。

観光施策を目的とした独自財源の確保については、全国の自治体でも宿泊税を中心に導入検討の動きが広がっている。東京都、大阪府、京都市に続き、金沢市が本年4月から宿泊税の課税を開始。北海道倶知安町や福岡県、福岡市でもそれぞれ導入が検討されている。

法定外目的税の中でも「宿泊税」が採用されやすい理由のひとつとして、税の負担者が受益者たる観光客であることと、その使途が観光施策に資するものと明瞭であることが、住民の納得を得やすいことが挙げられよう。例えば京都市では、平成 31 年度予算における宿泊税充当事業として①混雑対策・分散化②民泊対策③宿泊事業者支援・宿泊観光推進④受入環境整備⑤国内外への情報発信⑥京都ならではの文化振興・美しい景観の保全を挙げている。

既に沖縄県内でも顕在化しているオーバーツーリズムによる外部不経済の問題抑制及び対策と、観光客受入環境整備には安定財源の確保が必要であり、観光目的税の導入は喫緊の課題であると考える。

なお、観光目的税の導入には正の効果と負の効果の双方があるとされており、正の効果としては、安定的な観光予算の確保とその活用による観光振興施策の実施、観光資源の保全や観光客への啓蒙効果等が挙げられる。

負の効果としては、行政や特別徴収義務者(宿泊税の場合ホテル旅館等)の負担やコスト増、観光客の負担感による観光需要と経済効果減少等の懸念である。

沖縄県でも3月に「観光目的税制度の導入施行に関する検討委員会」が、宿泊料金に応じた2段階の定額制とする提言書を県へ提出した一方で、恩納村が独自に観光目的税の導入を検討している。二重徴税の懸念も含め、県と市町村が観光振興に向けた役割分担をはっきりさせる議論を行い、財源の独立性と透明性を担保する制度設計を、明確な工程表と共に策定することが急がれよう。

観光目的税の導入は、来訪者に対して「沖縄が世界に誇れる観光リゾート地としての発展を目指す」ことを、内外に宣言することでもある。導入の目的や使途について観光客の理解を得られる体制づくりはもちろんのこと、行政や関連産業界だけでなく、県民全体の理解と観光施策に対する意識を高めていくことも重要であると考える。

 

<参考記事・文献>

・2019年4月27日 タイムス総合1面

・2019年4月1日 沖縄タイムス「イチから分かる!ニュース深堀り:観光目的税」

・2019年3月23日 沖縄タイムス「インサイドクリック:観光目的税 意見割れる」

・2018年10月30日 日経新聞電子版「インバウンドで膨らむ観光利権 福岡で宿泊税争奪戦」

・「国際観光旅客税と観光政策」盛山正仁氏(創英社)

・「自治体の宿泊税導入に向けた取り組み」大和総研

・「観光税の導入に関する研究」塩谷英生氏

 

無事に卒業できました

2019年3月25日、早稲田ビジネススクールを無事に卒業することが出来ました。

想像を超えるハードさに、無我夢中で駆け抜けた1年間でした。

やっとの思いでMBAを取得しましたが、まだ実感が湧きません。学べば学ぶほど「無知の知」を思い知るからです。

一生勉強、一生成長。コツコツ積み上げていくしかないですね。

素晴らしい恩師と学友に恵まれ、最高に刺激的な学びの1年間でした。

支えてくださった全ての方々に心からの感謝を申し上げます。

 

高田馬場の氏神様、諏訪神社に御礼参りも済ませました。玄國寺の滝桜、神田川の桜も再び観ることが出来ました。

さあ、古巣へ戻り、自分のミッションを果たす時です。頑張ります。

在学中は忙しすぎて、なかなかブログを書けませんでしたが、今後、振り返りながら少しずつ書いていけたらと考えています。

気が付けば、もう2月

ご無沙汰しております。

前回の更新が昨年の9月って、どんだけ放っておくつもりなんでしょうか。

更新できない間にサーバーとドメインの更新がありましたが、IDやPWも忘れていて大騒ぎでした。

さて、私はWBSでの修論執筆と公開審査も何とか終え、あとは3月の成績発表(修了合否判定)を待つのみとなりました。

秋学期の忙しさはもう、ブー垂れる暇もないくらいハンパなかったです。

どうやって修論を書きあげたのかも思い出せないくらい。

視力も落ちたみたいで、最近では長い時間、文字を読むこともしんどくなってしまいました。。。おばちゃんの辛いところですね。

書きたいことは山ほどあるのですが、思い出しながらお伝えしていけたらと思います。

小江戸川越で充電

高野登さんの「小江戸川越ホスピタリティ塾」に参加してきました。(正確には9月13日ですが)

高野さんのセミナーは、何度聴いてもその度に新しい気づきと学びを戴ける、まるで宝石のような時間です。こんなに素晴らしい師匠に出会えたことに感謝の気持ちで一杯です。

川越胃腸病院の望月院長も参加なさっていて、ご挨拶することができました。永年の夢が叶い夢見心地でした。

 

セミナーが始まる前に、小江戸川越を小旅行してきました。風流な街並みに感動しました。朝ドラで観ていた「時の鐘」の音も聴けて大満足。

 

樹木希林さんを悼む 

女優・樹木希林さんの訃報を報道で知りました。

ショックです。心よりご冥福をお祈り申し上げます。また、ご病気を抱えながら、最期まで自分らしい生き方を貫かれたことに深く敬意を表します。

つい先日、ゼミ合宿で扱われたケーススタディに「誘拐犯との交渉」があり交渉術を学んだのですが、ケースを読みながら希林さんが出演なさっている映画の事を思い出していました。ゼミ仲間にも観るようにおススメしまくった映画です。(帰省中に思わず2回観返しました。)

映画「大誘拐」

https://ja.wikipedia.org/wiki/%E5%A4%A7%E8%AA%98%E6%8B%90

樹木希林さんはこの映画の中で、誘拐された大資産家の老婦人の元・女中頭の「くうちゃん」として、とても重要な役柄を演じておられます。

 

 

 

 

 

「大誘拐」は、私にとって邦画ナンバーワンの映画です。その主人公である北林谷栄さん、緒形拳さん、そして希林さんまで天に召され、何とも表現しようのないくらい喪失感で一杯です。

改めてご冥福を祈るとともに、素晴らしい作品の数々を遺してくださったことに心より感謝を申し上げたいと思います。 合掌

久しぶりの帰省とゼミ合宿

このたびの台風21号ならびに北海道胆振東部地震により、亡くなれた方々のご冥福をお祈りするとともに、被災された皆様に謹んでお見舞いを申し上げます。

 

 

さて。久しぶりに帰省してきました。家族や会社の皆の元気な顔を見れて嬉しかった。

沖縄のソウルフードを堪能し、お腹も心も満たされました。母の誕生日を家族みんなで祝うことが出来たのも良かったです。

 「やまや」のソーキそば。

 「大城そば」のそば(中)。

 「玉家Jr.」の味噌汁。

 

 

 

食べ物の写真ばっかり。

 

 

 両親も元気でひと安心。

 

また、9月の初めには私が所属する相葉ゼミの夏季合宿に参加してきました。

早稲田大学には、軽井沢・松代・菅平・伊豆川奈・鴨川・本庄と、6つものセミナーハウスがあるのです。今回は軽井沢のセミナーハウスに行ってきました。敷地のなんと広いことよ。

軽井沢の林の中の道を抜けて。

敷地内の植栽管理も完璧。

セミナーハウスの玄関。

建物も洒落ていて綺麗。

野球場やテニスコートも完備。

近所の蕎麦屋さんで手打ち体験。

夜はモノポリー三昧。

 

さて、WBSの前期の成績発表もありました。無事に17科目34単位を取れていました。本当にホッとしました。修了の所定単位数は50単位、必修科目もまだまだあるので気が抜けません。

何と言っても「修士論文」という大仕事が控えています。後期も引き続き、気合を入れて頑張ります。

 

 

「80歳の悪遊び」がいよいよキックオフ!

去る2月22日付けのブログで、父の親友・ヨシさんの話を書きました。

「80歳になった記念に、日本橋を出発して沖縄まで歩いて縦断する」という、とてつもない計画の話です。(「80歳の悪遊び」)

本日、ヨシさんは本当に日本橋から沖縄に向かって1人、出発しました!

ご友人が創ってくれたというのぼりには「80歳の悪遊び 江戸から琉球への謝恩使の逆歩き」と書かれています。これは、昔、琉球から江戸へ上っていた逆バージョンのこと。

日本橋、朝8時。30人余りが集まり、皆でヨシさんの出発を祝いました。(でも、集まった老若男女は全員、お互いは『初めまして』の知らない方ばかり。ヨシさんがどれだけ幅広いネットワークをお持ちか判ります)

皆がヨシさんの写真を撮りまくり、まるでアイドル並みの人気ぶり!沖縄の新聞取材も入ったので、記事が楽しみです。

永遠の少年・ヨシさん。そのパワーにはいつも勇気を貰っています。

ヨシさんは九州から奄美・徳之島を経由して沖縄本島入りし、最終ゴールの名護には11月の末に到着する予定とのこと。

今日の東京の暑さもハンパなく、夕方にはゲリラ雷雨。週明けには台風21号の接近も心配。私なんか、駅から大学に歩くだけでも汗ダラダラでへたれてしまうのに。。。

ヨシさん、どうかお身体と安全にくれぐれも気を付けて、道中を楽しんでくださいね。名護ではうちのファミリーがヨシさんの到着を楽しみに待っています!

 

 

おしぼりのFSX社を見学する

WBSの学友達と共に、FSX株式会社様の本社&工場見学に行ってきました。「そうだ、MBAを取ろう!」と急に思い立ったのが、ちょうど昨年の今日でしたので、マイ記念日でもあり、感慨深い1日となりました。

FSX(旧社名:藤波タオルサービス)の藤波社長はファミリー・ビジネス・ネットワーク・ジャパンを通して繋がった10年来の友人です。

実はWBSの夏クォーターに履修した「ケース・メソッド論」の授業で、同社を題材にケースを書かせて頂きました。(藤波社長、FSX社の皆さま、その節は大変お世話になりました。ありがとうございました!)

私が書いたそのケースを使って、実際に授業の中でケース・リードを行ったのですが、ディスカッションに参加してくれた学友達が「ぜひ、おしぼり工場を見学したい!」と盛り上がり、藤波社長と社員の皆さまの温かいご理解を得て、お邪魔させて頂いた次第。

国立市のFSX株式会社様に到着し、まずはカンファレンスルームにご案内頂いたのですが、ウェルカムボードまでご用意いただいており一同感激!

お忙しい中、藤波社長には事業内容のプレゼンをして頂き、ディスカッションまでお付き合い戴きました。(予定時間をかなりオーバーしてしまいました)

FSX株式会社はレンタルおしぼり業として先代社長が創業した会社ですが、二代目の藤波社長によりおしぼりに付加価値を付けた商品開発や、FC事業など多角化を図っており、飲食業以外の業界でも幅広く支持されています。

↑同社の製品で私が特にお気に入りなのがポケットおしぼり(使い切りの紙おしぼり)のアロマシリーズ。上質の不織布を使い、芳醇なアロマが香るこのおしぼりは、使い捨てるのがもったいないくらいのスグレモノです。

↑布おしぼりのクオリティも、顧客のニーズに応えて様々な用意をなさっています。上の画像は、銀座の超高級料亭(某首相と某大統領が会食した)で使用されているもの。スペシャル感がハンパなくてボックスを開ける時は本当にワクワクしました。

特筆すべきは、同社が産学連携で開発し特許を取得した「VB(ウィルス・ブロック)」が、全ての製品に使用されていることです。「VB」は、ポリ酸の水溶液で高い抗ウィルス・抗菌・防臭機能と安全性を兼ね備えています。これをおしぼりに使用することで、手指衛生が手軽に行えるのです。同社の「VB」を使用したおしぼりは、伊勢志摩サミットのプレスセンターでも提供されたとのこと。

 

↑さらに驚くことには、FSX社は「おしぼりを急加温・急冷できる冷温庫・『REION』」まで自社で開発してしまいました。

同社が特許を取得した「エア・サーキュレーション・テクノロジー」が搭載されており、従来の冷温庫では実現できなかったシンプルさと高性能、省電力性、そしてゲストの目につく場所に置いても違和感のないスタイリッシュさを備えています。

これまで、おしぼりの冷温庫はゲストの目に付かない場所に置かれるのが常でした。しかし、この「REION」は都内の高級ホテル・レストランやカーディーラー、病院、美容関連施設のほか、超有名IT企業やコンビニとフィットネスが融合した施設にも、おしぼりと共に採用されているのです。スゴイ!海外においてもシンガポールのマリーナ・ベイ・サンズの高級料理店でも採用されています。

藤波社長がディスカッションの中で「情熱」という言葉を何度も口にしておられました。経営に関しても戦略に関しても、最後は経営者の情熱と覚悟なのだと、お話しを伺いながら改めて思いました。

従業員に誇りをもって働いてもらえる環境づくりなど、本当に勉強になりました。藤波社長と社員の皆さまに心から感謝を申し上げます。ありがとうございました!

※FSX株式会社をもっと知りたい!という貴方は是非こちらから!http://www.fsx.co.jp/

 

早稲田松竹で映画を観る

高田馬場の住まいの近くに、ずっと気になっていた映画館があります。

「早稲田松竹」は、今では数少ない名画座映画館。ロードショーの終了した映画や過去の名作を厳選し、二本立てで上映しています。

1枚のチケットで、映画を2本観れるのです。それも入れ替え無し。さらにチケットと外出証はその日1日有効という優れモノ。午前中に1本観てから外出し、夕方に戻ってもう1本を観るという事も可能なわけです。おまけに安い!一般料金1,300円、私は学割が使えるので(自慢)なんと1,100円!これ映画を2本を観られるとは何とお得なのでしょうか。

2本の映画の選定にも、映画館なりのテーマを設けているのが興味深いところです。今週は「現代アメリカと巨匠たち」としてスピルバーグ監督の「ペンタゴン・ペーパーズ/最高機密文書」とイーストウッド監督の「15時17分、パリ行き」の豪華2作品。どちらも実話をもとにした見応えのあるものです。

早稲田松竹は小さな映画館で、普段通りかかる時には、あまり流行っているようには見えなかったのですが、とんだ誤解でした。到着したらチケット売り場は既に長蛇の列。立見がでるほどの盛況ぶりでした。入れ替え制ではないため、ドアの外では席が空くのを待つ人も大勢並んでいました。上映する映画にもよるのかも知れませんが、観客の年齢層も高く、長年のリピーター顧客が非常に多い印象。

館内は清潔でシートの座り心地も最高です。館内販売の飲食物は飲み物の自販機しかないため、「食べ物はご自由にお持ち込みください」とのこと。昔の映画館を思い出し懐かしくなりました。

映画館で映画を観るのは本当に久しぶりで、すごく贅沢な気分になりました。これからも時間が許す限り、ちょいちょい足を運ぼうと思います。

早稲田松竹 http://www.wasedashochiku.co.jp/aboutws/aboutws.html

 

北大東島編

北大東島を初めて訪ねたのが2008年でしたので、実に10年ぶりの再訪となります。

10年前の初訪問はちょうどクリスマスの前で、リッツ・カールトン・ホテル元日本支社長の高野さんが、これまで生のクラシック演奏を聴いたことが無い島の子供達へ、演奏家を連れて三重奏のプレゼントをしたツアーに同行したのでした。

沖縄最東端の北大東島では、10年前と全くお変わりないエネルギッシュな宮城村長が出迎えてくださり、役場の皆さまと共に翌日までずっと視察団をアテンドしてくださいました。

パネルディスカッションでは、「島の生き字引」と地元の人々から尊敬を集めている方や水産組合長、村の観光産業のキーパーソン、教育長、さとうきび生産組合長にご参加を頂き、貴重な意見交換の時間を共有しました。

北大東島の開拓は、明治36年に始まりました。(明治33年に八丈島出身の玉置半右衛門氏が南大東島への上陸を果たした3年後)

その時には現在の役場前にサトウキビを8株植え付けをしたそうです。実際に本格的な開拓が進められたのは南大東島上陸から10年後くらいのブランクがあるとされています。北大東島の開拓が遅れた理由は、当時南大東島の方に想定外の労力を取られた為、北大東島の所有権を担保する目的で、僅かでも開墾してサトウキビを植えたと言われているそうです。

 

開拓者の玉置氏は、北大東島で燐鉱採掘事業を明治43年に開始します。島で採れた燐鉱石は主に化学肥料の原料となり、島は活況を呈しました。戦後の1950年(昭和25年)まで続いた燐鉱石採掘が中止された後、施設の大半は時の経過とともに滅失したり損壊を受けて廃墟になりましたが、平成19年には遺構の一部が経産省の「近代化産業遺産」として認定され、平成28年には文化庁により国指定史跡に認定されました。そして、今年(平成30年)6月には、北大東島の燐鉱山由来の文化的景観が、沖縄県初の重要文化的景観であると答申されています。

私が多くの方々にぜひとも訪れて欲しい場所が、この燐鉱石貯蔵庫跡(国指定史跡)です。島独特の鋭いサンゴ礁の上に佇む史跡は、厳かというしかありません。荒々しい海に直結する船揚げ場からは、当時の土木技術の高さが感じられます。現在の島の人口は276世帯の573人ですが、最盛期の島の人口は2690人に及んだそうです。

島の産業は、燐鉱採掘が中止されて以来、糖業が主要産業となっています。サトウキビ栽培の安定化のため、圃場、灌漑、ため池など農業基盤の整備では県内トップクラスの進捗を進めています。また、輪作作物として取り組んでいるジャガイモ、カボチャもその品質が高い評価を得ています。ジャガイモは加工品としても活用され、ジャガイモ焼酎「ぽてちゅう」は、思わずグイグイ呑み進めてしまう美味しさ。また、カボチャは銀座のデパ地下で1個4000円で販売される程の品質の高さを誇るとのこと。

また、月桃を活かした石鹸やハーブティも島の特産品として大人気です。(特に月桃のハーブティは、お酒好きで肝臓が疲れている方にはおススメです。個人的感想ですが)

陸上養殖施設も見学しました。閉鎖型陸上養殖を行い、透明度の高い海水を直接利用してアワビ2万匹、ヒラメ3千匹を養殖しており、平成29年度からは県内大手スーパーへの出荷も始まっています。

北大東島のサトウキビ畑も素晴らしかったです。南大東島でも視察しましたが、水の少ない島ならではの「点滴灌漑」という方法で、貴重な水を最大限に有効活用しています。

視察団の委員の方で、ザ・ブームの島唄の歌詞に出てくる「ウージの森」の意味を初めて、サトウキビ畑の事と知って感動していた方がいました。

島のサトウキビの生育の良さは、既に森を通り越して「ジャングル」と言ってもよいくらいの迫力がありました。

現在の北大東島には、遊休耕作地はゼロとのこと。小さな島の土地をフル活用しているからこそ、「単収アップが大事」と島の皆さまが口々に仰る言葉が切実に響きました。

南北大東島と言えば、名物と呼ばれる光景に「空飛ぶ漁船」「ゴンドラに載って上陸する人間」があります。

両島ともに港は太平洋むき出しの岸壁でうねりが高いため、貨物や旅客を載せた定期船は、直接接岸できず、岸壁から10mほど離して係留します。そのため、貨物や旅客の乗下船はゴンドラをクレーンで吊り上げて行われます。このゴンドラ体験をするために島を訪れる観光客も多いとのこと。

今回、台風13号が発生していたため、ゴンドラ体験は中止となる予定でしたが、パネルディスカッションのパネリスト知花さんのご配慮で体験することが出来ました。

自分自身がゴンドラに載る体験は、まるでドローンの空撮を生で体験しているようでワクワクしましたが、同時に「島チャビ」という沖縄の言葉を思い出さずにはいられませんでした。島チャビとは「離島苦」のことです。

南北大東島ともに、漁港の整備が進んでいるとはいえ、定期船が接岸できる港はいまだにありません。だから今でも貨物や船で来島した旅客はクレーンで上陸するしかありません。台風の時はもちろんですが、接近する前から定期船が運休になることはしばしばありますし、台風でなくとも悪天候の時には接岸できません。

それは、島の人々に必要な生活物資の陸揚げが出来ないということです。同時に、島の生産物を外へ出荷できないということでもあります。私が普段、当たり前のように受けているロジスティクスの恩恵は、この島では波の高さでいとも簡単に、数日間止められてしまうのです。

それゆえ、私は南大東島でも北大東島でも、島の人々の「しなやかさと逞しさ」に圧倒されました。自然の脅威を受け入れながらも、人間の知恵を最大限に活用して被害を最小限に抑える、その不断の努力と底知れぬパワーに。

私の不勉強でしかないのですが、これまで沖縄本島でもサトウキビが台風のたびに横倒しになる光景を見て、そのまま全部ダメになってしまうのだと思っていました。このたび確認したところ、「ダメージの状態によっては横倒しのままにしておく。無理に起こしてしまうと根が出てしまうから。そのままにしておけば、横になった状態のサトウキビはそこからまた上に向かって育ってくる。だから、台風で横倒しになった年の収穫は『くの字』のサトウキビを収穫するんだよー」との事。

サトウキビも島の人々も本当にしなやかで逞しい。

生きる知恵のヒントと元気を貰った視察の旅でした。