番外編1 行けなかった旅

WBSを受験するなんて思いつきもしなかった8月初旬、私は手あたり次第にプライベート中心のスケジュールを手帳にぶっこみ始めていました。その頃の私は現実逃避中で、仕事から遠ざかる機会をいかに多く作るかというのが切実な問題だったからです。これについては、いつか機会があったら詳述しましょう。

最初のプライベート充実プランは友人のアヤさんと一緒に10月初旬の連休に京都・大阪へ2泊3日の旅。彼女の仕事のイベント視察に便乗して私も京都で寺社仏閣を巡り、大阪へ移動して念願の天満天神繁昌亭の落語を聴き、夜は久しぶりに会う友人と飲み明かそうと楽しい予定を立てていました。

関空へのフライトのチェックインを済ませ、アヤさんの到着を待っている時に鳴った携帯電話。「兄が病状悪化で急逝した」という、いとこからの報せでした。まだ40代の若さで、幼い子供を遺して逝かなければならなかったいとこの無念を思うと今も胸が痛みます。

飛行機に乗り込む直前に訃報を受ける事が出来たのは、天国のウヤファーフジ(ご先祖様)の采配かもしれません。報せのタイミングのおかげで直ぐに引き返し、諸々の対応をすることが出来たことに感謝をしています。

とはいえ、旅行のドタキャンで友人たちには迷惑をかけてしまいました。本当にごめんなさい。

それでもアヤさんは京都の北野天満宮で、私のために学業成就の御守りをお土産に持って帰ってきてくれました。

「今までの人生で、こんなに必死に祈ったことはなかったよ」と話す彼女から貰ったその御守りは、受験期間中ずっと私の鞄で軽やかな鈴の音色と共にゲンを付けてくれました。本当にありがとう!