番外編2 行けた旅~久高島

「神の島」と言われる久高島。島から呼ばれなければ行ってはいけないと固く信じていたため、50を過ぎてもまだ行った事がありませんでした。(呼ばれる、というのは各々のタイミングのことですから、あまり深く考えないでください)

それが何ということでしょう。東京の友人・ヤマさんが10月中旬の沖縄来訪中に、4度目の久高島訪問を計画しているというではありませんか。カバン持ちでいいから随行させてくれと、私は自ら「押しかけ初上陸」を頼み込みました。

いよいよ島に行く日程が近づいてきた頃に、またまた何ということでしょう。台風21号が発生。思いきりこっち(沖縄本島)に向かっているではありませんか。

台風の進路と速度からみて、ヤマさんご一行の沖縄入りには問題ありませんが、久高島への船便が運航するかどうかは微妙。そして東京への帰りのフライトはかなりヤバそう。

自然が相手の事ですから、現実に人間がコントロール出来ることと言えば、旅程の変更くらいです。それでもさすがヤマさん。あまりの過密スケジュールのため、何と台風が向かっている事すら知らないままに沖縄入りをしたのでした。

朝一番のフライトで到着したご一行と空港で合流し、ここから賑やかなおばちゃん4人の久高島詣での珍道中が始まります。

まずはレンタカーの手続きに時間のかかることといったら!おまけにカーナビは判りづらいわ、私は道案内を間違えるわ、道路は混んでいるわ、331号線では前を走る路線バスがいちいち停留所で停まるわで、まるで何かに引き止められているかのよう。

結局、港に着いたのは船が出た15分後。次のフェリーで向かったとしても、日帰り行程だから久高島には1時間くらいしか滞在できない計算。台風が接近中ですから、今日中に戻らなければ2~3日間、島で足止めをくう可能性もあります。

それでも簡単には諦めないのがおばちゃん達の強さ。だてに歳を取ってきたわけではありません。ダメ元であらゆる可能性に当たって砕けてみようと、既に渋滞のさなかにフェリー運航会社に電話をかけていました。

「あと5分で着くので待ってもらえませんか?」と無謀なお願いをしてあっさり断られます。いくらダメ元でも公共交通機関にちょっと待って、と言えた自分がちょっと怖い。

「そうだ漁船だ。漁船を出してもらえないか当たってみよう!」と、久高島に住むナエさんに電話で相談したところ、なんと「海上タクシー」なるものがあるというではありませんか。でも、安座間港にはそれらしき船は泊まっていません。全員でググりまくって情報収集。何度も電話してやっとつながった船長さんに事情を説明するも、

「台風が来るから、さっき島に戻った便で終わり。これから運休だよ。台風対策で船を陸に揚げるところさー」とのこと。いよいよ漁師さんを探さなければいけないかと思ったものの、「なぜ、今日中に私達が久高島に行かねばならないか」を滔々と訴え続けた私。根負けしてくれた優しい船長さんは、「仕方ない。これから安座間港に向かう。但し、往路だけだからね。復路便は出せないからね。」と渋々OKしてくれたのでした。

 

 

海上タクシー「ジュピター号」は、とても綺麗で快適な上に室内・室外の両方に座席があるので、海風と水しぶきを満喫できます。クルージング気分でおばちゃん4人も童心に返って大はしゃぎ。

島の港では、ナエさんが温かく出迎えてくれました。

久高島は島全体がパワースポットのようなもの。「久高島からは石ころひとつ、葉っぱのひとつも勝手に持ち帰ってはいけない」と言われています。

台風が接近しているとは思えないほど穏やかで美しい空と海、キラキラした太陽の光。空気もなんだか神々しく感じられます。島を回りながら、岡本太郎さんが「沖縄文化論」の中で、“「何もないこと」の眩暈”と表現していたことを思い出します。

ナエさんの導きで島のあちこちにある御嶽で祈ることが出来たのは本当にありがたいことでした。

結局、台風接近の気配など一切感じることもなく最高の天気に恵まれ、島で予定していた全行程を無事に終えることが出来たのは久高島の神様のおかげと皆で感謝。

復路はちゃんとフェリーに乗って帰ることが出来ました。東京からのご一行には初日からイレギュラーな珍道中でハラハラさせてしまったけれど、結果オーライでより印象深い久高島上陸になったかな?

ヤマさんといえば沖縄滞在の全行程を満喫し、那覇発フライトは欠航便の相次ぐ中、しっかりと予定通り(その日飛べた最後の便だとか)に帰京したのでした。さすがヤマさん!