屋良朝春先生を偲ぶ

巨星墜つ―

敬愛する画家でメンターの一人でもある屋良朝春(やら ちょうしゅん)画伯が、入院先で多臓器不全のため急逝された。

享年79歳。お見舞いもお別れも出来なかったことが悔やまれてならない。

白髪と白髭の柔和なお顔にジーンズ姿で、いつも精力的に新作を描かれ、アトリエでは生徒たちをまるで対等な立場のように敬意をもって扱ってくださった。

私が門下生だったのはほんの少しの間であったが、上の子供は学校に居場所が無かった頃に温かく迎え入れていただいた。

下の子供は大の勉強嫌いだが、中学から高校を卒業するまでアトリエだけは熱心に通い続け、おかげさまで専門学校ではデザイン画で苦労することは無かったようだ。

屋良先生は生徒がどんなに下手であろうとも、その作品の中の良いところを引き出し、伸ばしてくれた。

作品だけでなく人間の心に共感し、それぞれの感性を敬い、才能を引き出す天才だった。

今頃は天国で、屋良先生よりも先に旅立たれた奥様と再会を果たしているだろうか。

先生のことだから、さっそく天国の風景画を描き始めているかもしれない。私もいつか天国で先生と再会したら、今度こそ真面目な門下生として、地道に絵を描きたいと思う。

 

ホテルのエントランスに飾っている屋良先生の「潮風」は私の故郷の海岸を描いたものだ。先生が恋しくなったら、いつでもここで心行くまで先生を偲ぼう。

屋良朝春先生のご冥福を心からお祈り申し上げます。合掌