新聞コラム 掲載2回目

「やんばるにも空港が必要だ!」という想いを持つ方は、私が思っていた以上に多いようで、掲載後にたくさんの反応をいただきました。ありがとうございました。

沖縄タイムス ニュースナビ+「北部空港の実現を期待」

 

↓こちらは初稿。

沖縄県は「沖縄観光推進ロードマップ」において、2021年までに観光収入1.1兆円・入域観光客数1,200万人と数値目標を設定している。

りゅうぎん総合研究所が、リゾート先進地を視察してまとめた調査レポート「欧・米・豪・露からの外国人観光客の誘致について」(2019年)ならびに「ハワイの観光と沖縄」(2018年)によれば、より大きな観光消費額を得るためには、長期滞在型の観光客を欧米や豪州などから沖縄へ呼び込み、かつ、観光需要の巨大市場であるアジア地域に近い優位性を活かし、より多くの観光客を受け入れる必要がある。同時にオーバーツーリズムへの対応が重要であり、旅客輸送能力の拡大と陸上交通の負荷軽減、観光客の分散化を図る施策として、本島北部へのLCC専用空港の建設を提言している。

筆者はこの提言が、次の4つの課題解決の有効な施策になると考えるため強く支持したい。

まず、那覇空港のキャパシティの課題である。国交省によると、那覇空港で安定的に運用できる離着陸回数は年間13万5千回だが、2017年度の那覇空港の離着陸回数は約16万6千回と大きく上回っている。2020年の供用開始が期待されている第二滑走路も、試算によれば離着陸回数は18万5千回となり、現在の離着陸数の1.1倍にとどまる見込みだという。その理由としては、建設中の誘導路の形状の問題(既存滑走路を横断しなければターミナルに行けないこと)や空港運用時間の制限、国内・国際ターミナルの搭乗スポット数の不足、南西地域の安保環境から自衛隊機の運航が増加傾向にあることなどが考えられる。北部にLCC専用空港ができることで、国際直行便や格安国内便の拡充が可能となり、旅客輸送能力が拡大する。

2つめに、陸路の交通渋滞の課題である。来訪者の交通手段がレンタカー主体となっている現在、二次交通問題は既に県民生活にも影響を及ぼしている。県民にとっても観光客にとっても渋滞の中での車移動時間は、ただ時間を消費しているだけで経済的に大きなロスをしているといえよう。北の玄関口として北部にもう1つ空港があれば、目的地により近い南北いずれかの空港から入る流れができ、陸上交通の負荷軽減に寄与すると考える。

3つめに、観光客の分散化と、沖縄本島の南北格差解消に資する期待がもてることである。空のアクセスが拡大され利便性が増すことで、北部地域そのものが「来訪の目的地」となり、滞在時間や観光消費額の増加が期待できる。先月、北部地域11観光協会のトップらは世界自然遺産のブランド化など、新たな観光ステージへの進化を見据え、沖縄県観光部局の北部事務所の誘致を求める陳情を行った。また、離島を抱える北部12市町村では、北部振興会が空港建設や既存の空港活用促進、離島架橋や主要幹線道路ネットワークの必要性を決議し政府へ要請している。

最後に、万が一に備え、航空機事故や大災害などで空港がクローズした場合の相互のバックアップ機能としても、北部空港はその可能性を模索する必要が大いにあると考える。

りゅうぎん総合研究所の提言は、沖縄が世界有数のリゾート地としての価値を上げると同時に、オーバーツーリズムや北部地域の課題解決にも大いに資するものであり、ぜひとも官民を挙げて議論の活性化が進むことを期待したい。